オペアンプの動き、言葉で説明

オペアンプは、図1のような記号で書かれ、Vout には、 Vin+ と Vin- の差が ゲインG 倍されて出てきます。  Vout = (Vin+ ー - Vin-) * G 。

図1 オペアンプ

G は大変大きい( 100,000 倍以上)ので、

  • Vin+ > Vin- のときは、Vout は + の電源電圧に張り付きます。(1)
  • Vin+ < Vin- のときは、Vout は - の電源電圧に張り付きます。(2)

 

次に、図2の回路を考えます。 今 Vin+ を 1[v] の直流電圧に繋ぎます。

図2 全帰還オペアンプ

Vout は、Vin- が 1[v] より少し小さいと、(1) から、Vout が + の電源電圧に張り付こうとしますが、この時、Vout (=Vin-) が 1[v] より大きくなると、(2)から - の電源電圧に張り付こうとします。 この時 Vout(=Vin-)が 1[v] とより少し大きくなると、(1)から + の電源電圧に張り付こうとします。この時 Vout(=Vin-) が 1[v] より少し小さくなると、、、、(1[v] になる動作)

これを繰り返して、図2に回路では、Vin+ = Vin- = Vout = 1[v]に落ち着きます。

 また、この時何かの拍子に(例えば、ノイズ)で、Vout が 1[v] から少しだけずれるても、(1[v] になる動作)をして、Vout = 1[v] に落ち着きます。

 

図3で、同様に Vin+ = 1[v], R1=R2=1K[Ω] とします。 この時、落ち着く先は、Vin+ = Vin- = 1[v] です。 よって、Vin - = Vout*R1/(R1 + R2) = Vout /2 となり、Vout = 2[v] が落ち着く先です。

図3 増幅

このとき、何かの拍子(例えばノイズ)で、Vout が 2[v] より少し上がったとします。そうすると、Vin- も1[v] より少し上がります。Vin+(1[v] < Vin- となるので、Vout の電圧は下がる方へ動きますが、全帰還のときよりも下がる方への動きが半分になります。Vout が下がって Vin+(1[v]) > Vin- になると、Vout は、電圧が上がる方向へ動きますが、全帰還のときよりも下がる方への動きが半分になります。これを繰り返して、Vout は2[v] 近傍で安定します。

図3では、Vout(2[v]) は Vin+(1[v]) の2倍ですが、Vout のノイズの修正する大きさは、図2の全帰還の半分になっています。

 

まとめ

  1. オペアンプが増幅動作をしている時は、Vin+ = Vin- となります。回路が思ったように動かない時は、Vin+, Vin-, Vout の電圧を確認。
  2. 増幅回路にノイズが入った時も、ノイズの影響をなくするように動きます。ただし、Vin+にノイズが入った時は、オペアンプにとって Vin+ に入ったノイズは入力信号になるので、Vout にそのまま現れます。
  3. 増幅回路内部の歪も、増幅回路に入ったノイズと同じ考え方で、歪が出ないように動きます。
  4. 増幅回路の増幅度が上がる(R2/R1 の比率が大きくなる)と、ノイズや歪を少なくする効果は減少します。